2025.12.1
第5回ワンヘルス楽校
~ みやま市で実践の輪広がる ~
2025年11月20日、みやま市立瀬高小学校で「第5回ワンヘルス楽校」が開催され、小・中・高校生が日頃の学びをもとに「私のワンヘルス」を発表した。子どもたちは、人・動物・自然のつながりを大切にするワンヘルスの理念を、自らの体験や気づきと結びつけて紹介しました。

瀬高小学校の児童は、川のゴミを調べて知ったマイクロプラスチック問題、矢部川の観察から実感したリサイクルの重要性、スポーツによる健康づくり、食品ロス削減の工夫など、生活に密着した取り組みを発表。日々の行動の中にも環境や健康を守る視点があることを示しました。
瀬高中学校の生徒は、四王寺県民の森での体験を通し、人と自然、生き物のつながりを実感。森林破壊や野生動物への安易な餌やりが生態系のバランスを崩すことを学び、生ごみの適切な排出、資源分別、節電・節水など、自分たちが地域でできる実践を挙げました。
山門高校ワンヘルスクラブは、注目されるウナギ研究の成果を紹介。クスノキの落ち葉を使った飼育での死亡率減少、節水効果、1377匹の放流、土壌の栄養塩調査、竹林跡地を活用した「100年の森づくり」など、科学的探究と地域連携を両立した活動が来場者を魅了しました。
また、子どもたちと専門家によるパネルディスカッションでは、
・福岡県議会議長、(公社)日本獣医師会会長 藏内勇夫 氏
・(公社)日本医師会名誉会長・社会医療法人弘恵会理事長 横倉義武 氏
・みやま市教育委員会教育長 藤岡育代 氏
・(一社)ワン・ヘルス・クリエイツ理事長 芝田良倫 氏
・株式会社クロキ(ワンヘルス宣言事業者)黒木千佳 氏
が登壇し、子どもたちの質問に丁寧に答えました。

野生動物が人里に出る理由、新しい感染症の可能性、温暖化が生態系に及ぼす影響、世界のワンヘルス推進状況、企業の実践など、幅広いテーマが取り上げられ、専門家は自然環境の変化の理解や地球温暖化対策、国際連携や資源循環の重要性をわかりやすく説明しました。

横倉先生は子どもたちの「自発性」と「発信力」に深く感銘を受け、未来を担う力を強調しました。藏内会長も、学年を超えて協力する子どもたちの「自主性」と「協働の姿勢」を高く評価し、みやま市が育んできた“絆”の広がりを称えました。さらに、ワンヘルスセンターが将来、世界中の研究者が訪れる“聖地”へと発展することへの期待を述べ、パネルディスカッションは温かい雰囲気の中で締めくくりました。